時価の算定に関する会計基準について概要のまとめ。

時価の算定に関する会計基準(以下、「時価算定基準」という。)

よくわからない自分のためのメモです。

違うところなど指摘があればコメントにお願いいたします。

ほぼほぼ、基準の原文を基礎として、かみ砕いたりしています。

個人的に必要ないところとかは省略しています。

 

目的

1. 本基準は、時価の算定方法について定めたものである。

2. 本基準の適用にあたっては、企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という。)を参照する必要がある。

会計基準

Ⅰ. 範囲

3. 時価算定基準は、次の項目の時価に適用される。

⑴ 金融商品会計基準における金融商品

⑵ 棚卸資産会計基準におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産

 トレーディング目的で保有する棚卸資産・・・金(CashではなくGoldの方)などのような市場価格の変動により利益を得ることを目的として保有される資産のこと。

 

Ⅱ. 用語の定義

市場参加者:資産又は負債に関する主要な市場又は最も有利な市場において、

      ①互いに独立しており、関連当事者ではないこと。

       →関連当事者とは「関連当事者会計基準」第5項(3)

      ②当該資産又は負債に関して、知識と十分な理解

 

Ⅲ. 時価の算定

1. 時価の定義

5. 「時価」とは、算定日において市場で取引をしている人たちがルールに則って、取引を行っているという前提での取引価格のことをいう。

時価算定基準では、結論の背景で、時価は、算定日における市場参加者間の秩序ある取引が行われると想定した場合の出口価格であるということが示されている。入口価格ではないので注意すること。

なお、出口価格を時価とするとしつつも、適用指針において、買気配と売気配の間の適切な価格(仲値など)をインプットとして用いることができる余地を示している。

 

出口価格・・・資産の売却によって受け取る価格または負債の移転(融資の返済など)のために支払う価格のこと。

入口価格・・・資産を取得するために支払う価格または負債を引き受ける(融資を受けるなど)ために受け取った価格のこと。

 

2. 時価の算定単位

6. 資産または負債の時価を算定する単位は、それぞれの対象となる資産又は負債に適用される会計処理または開示による。

7. 省略。

 

3. 時価の算定方法

(1)評価技法

8. 時価の算定にあたっては、状況に応じて、十分なデータが利用できる評価技法を用いる。評価技法を用いるにあたっては、関連性のある観察可能なインプットを最大限利用し、観察できないインプットの利用を最小限にする。

9. 時価の算定にあたって複数の評価技法を用いる場合には、複数の評価技法に基づく結果を踏まえた合理的な範囲を考慮して、時価を最もよく表す結果を決定する。

10. 時価の算定に用いる評価技法は、毎期継続して適用する。

(2)インプット

11. 時価の算定に用いるインプットは、次の順に優先的に使用する(レベル1が最も優先順位が高く、レベル3のインプットが最も優先順位が低い。)。

(1) レベル1のインプット

 時価の算定日において、企業が入手できる活発な市場における同一の資産又は負債に関する相場価格であり調整されていないものをいう。当該価格は、時価の差異的な根拠を提供するものであり、当該価格が利用できる場合には、原則として、当該価格を調整せず時価の算定に使用する。

⇒株式市場などのように活発な市場で実際に公開されている情報(数値)を調整せずにそのままインプットとする場合は、そのインプットはレベル1に該当すると考えられる。

(以下、適用指針)

 レベル1のインプットを決定するにあたっては、次の両方を評価する。

① 当該資産又は負債に関する主要な市場、あるいは、主要な市場がない場合には、当該資産又は負債にかかる最も有利な市場

② 当該資産又は負債に関する取引について、時価の算定日に企業が主要な市場又は最も有利な市場において行うことができる場合の価格

⇒適用指針ではレベル1のインプットを決定するにあたっては、①最も適切な市場であるか②①で決定した市場の価格でその企業が取引を行うことができるかを考えた上で決定しなければならないとされている。レベル1のインプットに該当する代表的なものとしては、株価が挙げられると考える。

(2) レベル2のインプット

 資産又は負債について直接的または間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1以外のインプットをいう。

(以下、適用指針)

レベル1のインプットでないが、資産又は負債の契約期間のほぼ全体を通じて観察可能であるインプットは、レベル2のインプットとなる。レベル2のインプットには、例えば、次のものが含まれる。

活発な市場における類似の資産又は負債に関する相場価格

活発でない市場における同一又は類似の資産又は負債に関する相場価格

相場価格以外の観察可能なインプット

④相関関係等に基づき観察可能な市場データから得られる又は当該データに裏付けられるインプット

⇒仲値などある程度の根拠のある数値を調整したものに関してはすべてレベル2になると考える。

(3)レベル3のインプット

 資産又は負債について観察できないインプットをいう。当該インプットは、関連性のある観察可能なインプットが入手できない場合に用いる。

(以下、適用指針)

 レベル3のインプットを決定するにあたっては、その状況において入手できる最良の情報を用いる。この際、企業自身のデータを用いることができるが、合理的に入手できる情報により次のいずれかの事項が識別される場合には、当該企業自身のデータを調整する。

①他の市場参加者が異なるデータを用いること。

②他の市場参加者が入手できない企業に固有の特性が存在すること。

 

以下、省略。

 

以上が、私見等を交えたメモになります(後半は丸コピだけど...)。

 

以下、簡単な時価算定基準の概要のまとめです。

時価は「出口価格」である。

時価の算定単位は、それぞれの対象資産・負債の会計処理・開示による。

時価の算定にあたっては、十分なデータが利用できる評価技法を用いて、関連性のある観察可能なインプットを最大限利用する。

④インプットは、3つのレベルに分けられる。

レベル1・・・活発な市場の相場であり調整されていないインプット。

レベル2・・・類似の相場若しくはそれ以外の観察可能なインプット。

レベル3・・・観察できないインプット。